圧縮記帳をするのとしないのとでは支払う法人税は本当に変わらないのか考えてみた

とある本に、圧縮記帳(直接減額方式)を行う場合と行わない場合とでは、将来支払う法人税の合計額は変わらないという記述があった。ちなみに圧縮記帳とは、国庫補助金などを受け取って固定資産等を購入した場合に、そのままだと当期の利益が多くなって当期に支払う法人税等が跳ね上がり、資金繰りが苦しくなるのを避けるために、課税の繰延を行うための会計処理のこと。あいにくその本や、手持ちの他の本にも、合計額が変わらないことの理由が書いておらず、本当に合計額が変わらないものなのか納得出来ないため、数式を使って考えてみた。
なお、以下では
: 購入した固定資産の取得時の簿価
: 国庫補助金の金額
: 第i期のその他収益
とし、購入した固定資産は定額法(残存価額10%)で4年で償却するものとし、法人税率は40%とする。

第1期の収益は なので法人税等は
第2〜4期の収益は なので法人税等はどの期もとなる。

上記を合計するととなる。

第1期の収益は なので法人税等は
第2〜4期の収益や法人税等についても同様。
4期分を合計するととなる。


ということで、どうやら本に書かれていた記述は正しかったようである。ただ、数式を考えると、途中の期で法人税率が変わった場合は結果が変わるような…。あと、hatenaダイアリーで数式の埋め込みが可能なことを確認できた。なお私は税理士や会計士ではないので、ここに書かれていることが間違っていて、それによって不利益を被ったとしても責任は負いません。